食いしばり・夜中に目が覚める・夜間頻尿の原因② 機序編
こんにちは
今回は、副腎疲労症候群の話の続きです。
前回の終盤の話
副腎疲労症候群の症状と言われているものを列挙します。
・夜元気になり、朝起きられない、寝ても疲れが取れない
・夜中に目が覚める、夜中に歯ぎしりをしている、頻繁な夢
・くいしばり
・夜間頻尿
・甘い物や味が濃い物が好き
・元気が出ない、だるい
・小さなことにもイライラする、逆によく落ち込む
・PMS
・カフェインやチョコが好き
・集中力が無い
・食事を抜くと力が出ない
こんな感じです。
でした。
コルチゾールと低血糖
今回の副腎疲労の話をするために、無視できないホルモンが、コルチゾールです。
まずは、低血糖と絡めて話をしていきます。
日中、血糖値は上下していますが、基本的には70を下回りません。
70を下回ったら低血糖です。
起きていれば、低血糖になりそうになったら、何か食べたくなりますのでやはり血糖値は維持されます。
しかし、睡眠中はどうでしょうか?
睡眠中は糖質の摂取が無いので、低血糖になってしまいます。
こんな時に活躍するのが、コルチゾールです。
前回示しましたコルチゾールの働きの中に、”肝臓による糖新生”というものがありました。
この糖新生というのは、簡単に言えば糖質以外の物から糖を作り出す機能です。
この材料には、腸の代謝産物も使われるため、腸内環境も言わずもがな重要です。
というわけで、コルチゾールが働いてくれれば、夜間糖質を摂らなくても低血糖になることはないという事です。
コルチゾールが正常に働かないと?
今回の話は、副腎疲労ですから、このコルチゾールを生産する能力が乱れてしまっている状態です。
そうすると、夜間のコルチゾール産生ができない→糖新生ができない→低血糖を起こす
という事です。
低血糖を起こしたら、やはり血糖値を上げなければなりません。
でもコルチゾールが上手く出せない…
そんな時に活躍するのが”アドレナリン”です。
アドレナリンは名前としては馴染みのあるホルモンです。
アドレナリンがコルチゾールの代わりを担い、糖新生をしてくれます。
もちろん、アドレナリンのおかげで低血糖を起こさずに済んでいるので、悪者というわけではありませんし、必要な時には不可欠なホルモンです。
しかし、このアドレナリンが現代ではネガティブな現象を起こします。
アドレナリン タイトル回収
夜に低血糖を起こさないように、働かなくなってしまったコルチゾールの代わりにアドレナリンが使われるという事でしたが
睡眠中にアドレナリンが分泌されるとどうなるでしょうか?
目が覚めますね。
アドレナリンは、交感神経を刺激し
戦うか、逃げるか(fight or flight)の状態になります。
戦うか、逃げるかしているときには寝ていられませんから、起きます。
戦うか、逃げるかの時には歯を食いしばります。
起きれば尿意に気づきますから、夜間にトイレに行くことになります。
という事で、タイトルが回収できますね。
これらの症状は、副腎疲労による夜間のアドレナリンの分泌で起こるという事です。
なぜコルチゾールが上手く働かないのか?
ここまでで、副腎が疲労していると夜間のコルチゾールの分泌がうまくいかずに、アドレナリンが代わりに働いてくれる事で交感神経優位な症状が出る
というところは理解していただけたかと思います。
コルチゾールがなぜ夜間に働きにくくなってしまうのかですが
日中に使い過ぎなんです。
コルチゾールは血糖の上昇、抗ストレス、抗炎症
という話をさせていただきました。
日中に血糖値を急激に上げる(主に小麦、精製糖)と、インスリンをドバっと使います。
そうすると、食事により急激に上がった血糖値はインスリンによって、急激に下げられます。
ここで、コルチゾールがまた糖新生によって血糖値を急激に上げてくれます。
これを血糖値が安定するまで繰り返します。
日中に繰り返しこんなことをしながら、腸や血管の炎症に加えて日常のストレスのためにコルチゾールを使っているから、副腎が疲れてしまいますし、その状態では夜間はもたないという事です。
そこで、繰り返しますがアドレナリンが使われるという事ですね。
機序編が長くなってしまいましたが、何となくでも理解していただければ幸いです。