人間は忘れるようにできている
こんにちは
今回は物忘れについて書いていきます。
普段から物忘れの相談をよく受けます。
大抵の場合、気にしなくていいレベルのお話なので
それくらい大丈夫ですよー
で終わらせてしまうのですが、改めて書いていこうかと思いました。
別に忘れてもいいんじゃない?だって
もちろん、物忘れには栄養や自律神経の話も関わりますが、今回は
別に物忘れしてもいいんじゃない?
という話がメインになります。
人が記憶したことを忘れるという研究を大昔にしてくれた人がいます。
1885年頃に、エビングハウスさんというドイツの方が出版した本の中に忘却曲線というグラフが出てきました。
これが今、後世まで有名になっている
エビングハウスの忘却曲線です。
これをわかりやすく説明すると。
本来は次に同じことを学習するときにどれだけ時間を節約できるかという話なのですが
簡単に表現すれば
20分で半分ほど忘れて、1か月で8割ほど忘れる
という話です。
という事で
人は忘れます
特に
生存に必要のない記憶
は忘れます。
だからこその
別に忘れてもいいじゃない?
という事です。
生存に必要な記憶
生存に必要な記憶は恐怖や不安がつきものです。
周りを見ずに歩いていたら車に轢かれそうになった
拾い食いをしたら強烈な腹痛に見舞われた
悪い事をしたら怒られた
などなど
このような記憶はエピソード+感情で記憶に残ります。
改めて、生存に必要だからです。
ある意味これが負の作用となり、消極的な性格や周りの目を気にするような性格になってしまうという話にもなります。
また、太古の昔から何十億年かけて進化してきた結果が今の人間という形です。
その進化の歴史の中での生存に必要な記憶も引き継いできています。
例えば、蜂の羽音はなぜか恐怖を煽りますし、反射的に逃げますし
ゴキブリはなぜか嫌いですし、高所恐怖症や集合体恐怖症なんかにも過去のトラウマを引き継いできた結果です。
このようにトラウマは遺伝します。
忘れる理由と記憶する工夫
忘れる理由は何となく理解していただけたかと思います。
まずは忘れるようにできているという事と、生存に必要ないからという事ですね。
特に皆さんお仕事や家事で忘れることが多くて困るとおっしゃる方が多いです。
しかし、家事や仕事なんて生存に必要ないですから忘れて当たり前なんです。
そして、その忘れるというのは
他の事で意識がいっぱいいっぱいになっている
そもそもやりたくない、楽しくない
だから忘れるのかもしれないとも考えてみていいと思います。
では、どのようにして記憶したら忘れないでしょうか?
勉強でもそうですが、まず基本は繰り返しです。
繰り返し思い出したり、何かにメモをしてみる回数を増やしたり。
このあたりはもちろん当たり前です。
先ほど、生存に必要な記憶は恐怖や不安がつきものであるという話をさせていただきましたが、エピソード+感情が長期記憶に移行させるカギになります。
なので、シンプルに覚えておきたいことに感情を交えると記憶されやすいです。
例えば、感動や喜び、もちろん不安や恐怖、イライラや悲しさ
どんな感情でもその場面にあった感情が結び付けられればいいのです。
しかし、困ったことに上記で書いたように、嫌々やっている事=生存に必要ない事には感情は生まれにくいのです。
やはり、やりたい仕事をやる、家事のモチベーションを変えるのが一番の解決方法だと思います。
忘れて当たり前な現代
この話は本当かどうかわかりませんが、よく言われるのは
現代人が1日に触れる情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分と言われています。
古典のよくある文章のように色恋しか考えていないような時代は、物事を考え覚える必要もなく、必要のない情報を見せられることもなく、資本主義社会のマーケティングの脅しに踊らされることなく生きていけたのでしょう。
そんなに疲労しなさそうな、だらだらテレビを見たりネットサーフィンをしていたりすると、それだけで脳疲労を起こします。
ただでさえ嫌な仕事や人付き合いで心よりも頭を使って生きています。
頭を使うキーワードは
「でも」「だって」「しょうがない」
です。
やりたい事があっても でも我慢しなきゃ
やりたくない事でも でもやらなきゃ だってこう言われてしまうから
なんて日々ですよね。
他人を軸に自分の人生を真剣に生きてしまうと脳は疲れますし、本当に忘れては困るものがわからなくなってしまいます。
ありがとうございました。